福島県にある伊藤眼科院長。福島県立医科大学卒。日本眼科学会眼科専門医。平成17年~平成30年 福島県立医科大学客員講師。白内障、ドライアイ、角膜などの眼表面の病気を専門とし、コンタクトレンズについての相談も行っている。わかりやすく丁寧な説明と確かな診断、治療技術の提供をモットーとしている。
目のかわき(ドライアイ)とは、目の表面を覆って目の健康を守っている涙の減少によって生じる症状です。また、目のかわきをきっかけに、目の疲れや充血などさまざまな症状が起こることもあります。目のかわきによって起こりうる症状には、それぞれの症状に応じた目薬を用いるのも効果的。本記事では、目のかわきにおすすめの目薬はもちろん、目のかわきによって起こりうる目の症状ごとにおすすめの目薬の選び方を紹介します。
index
- 目のかわき(ドライアイ)の原因と症状
- 目のかわき(ドライアイ)の原因は日常生活の中に潜むことが多い
- 目のかわきと涙について
- 目のかわき(ドライアイ)によって起こりうる目の症状とは
- 目のかわきや、それにより起こりうる症状にあった目薬の選び方
- 【目のかわき】には、潤いを与えたり、涙液に似た成分の目薬を
- 【目の疲れ】には、ピント調節や栄養成分が含まれる目薬
- 【目の充血】には、充血除去用や疲れ目用の目薬
- 目のかわき(ドライアイ)によって起こりうる目の症状に効果的な目薬を選ぶときのポイント
- コンタクト装着中も使用できる目薬を選ぶ
- 薬剤師や登録販売者に相談する
- 目薬と併せてやってみよう!目のかわき(ドライアイ)のおすすめ予防法
- 目のかわき(ドライアイ)の予防法① 日常生活の中で目を労わる
- 目のかわき(ドライアイ)の予防法② 目を温める
- 目のかわき(ドライアイ)には、症状に応じた目薬を選ぶのがおすすめ
本記事では、空気の乾燥や目の酷使によって起きる目の乾燥感のことを目のかわき(ドライアイ)と記載しており、目の乾燥感における原因や対策方法を記載しています。
さまざまな要因により涙液層の安定性が低下する疾患「ドライアイ」に関する内容ではありません。
医師により「ドライアイ」と診断された方は、医師の治療に従ってください。
また、本記事を参考に市販の目薬を使用しても、症状が改善されない場合は、医師の診察を受けてください。
さまざまな要因により涙液層の安定性が低下する疾患「ドライアイ」に関する内容ではありません。
医師により「ドライアイ」と診断された方は、医師の治療に従ってください。
また、本記事を参考に市販の目薬を使用しても、症状が改善されない場合は、医師の診察を受けてください。
目のかわき(ドライアイ)の原因と症状
目のかわき(ドライアイ)を改善するためには、生活習慣の改善や身の回りの環境の見直し、目薬の使用が効果的。そのために、まずは原因と正しい目薬の選び方を知り、適切な対処法を見つけましょう。
目のかわき(ドライアイ)の原因は日常生活の中に潜むことが多い
目のかわきは、涙の量が減少したり、涙の蒸発量が増加したりすることにより、目に乾燥感が生じる症状です。目のかわきは、以下の原因で起こることが多いです。
- パソコンの画面などを長時間見ている際のまばたきの減少
- エアコンや季節による空気の乾燥
- 睡眠不足やストレスによる自律神経の乱れ
- コンタクトの長時間装用
目のかわきと涙について
目のかわきは、涙の減少によって生じるため、涙とも大きな関わりがあります。涙には、主に以下の8つの働きがあり、目の健康を保っています。
- 栄養の補給
- 殺菌作用
- うるおい保持
- 目の洗浄
- 視力を保つ
- 傷の治癒
- 温度調整
- 酸素の供給
目のかわき(ドライアイ)によって起こりうる目の症状とは
目がかわくと、その他の症状が現れることもあります。涙は、目の表面を保護する働きのほか、目に必要な酸素や栄養素を補給する役割も担っています。目のかわきからそれらの機能がうまく働かなくなることで、目にさまざまな違和感が現れてしまうのです。
目のかわきが引き起こす症状には以下のようなものがあります。これらの症状は目のかわき以外の原因でも起こることがあります。
目のかわきが引き起こす症状には以下のようなものがあります。これらの症状は目のかわき以外の原因でも起こることがあります。
- 目の疲れ
- 目の充血
目のかわきや、それにより起こりうる症状にあった目薬の選び方
目のかわきや、目のかわきによって起こりうる症状別に、改善に効果のある目薬を紹介します!迷ったら薬剤師や登録販売者に聞いてみてくださいね。
【目のかわき】には、潤いを与えたり、涙液に似た成分の目薬を
目のかわきを感じた場合には、目に潤いを与えてあげることが必要です。涙に近い成分が含まれている人工涙液タイプの目薬を選ぶと良いでしょう。その際は、パッケージの効能欄に「涙液の補助(目のかわき)」と記載された目薬を選びましょう。
以下の成分が配合されている目薬を選ぶのがおすすめです。
<成分>
・塩化ナトリウム
・塩化カリウム
・コンドロイチン硫酸エステルナトリウム
・ヒアルロン酸ナトリウム
など
以下の成分が配合されている目薬を選ぶのがおすすめです。
<成分>
・塩化ナトリウム
・塩化カリウム
・コンドロイチン硫酸エステルナトリウム
・ヒアルロン酸ナトリウム
など
【目の疲れ】には、ピント調節や栄養成分が含まれる目薬
涙には、角膜の表面の凸凹をなめらかな曲面にすることにより、視力を保つ働きがあります。目がかわくことにより、視力を保つ働きが損なわれ、ピント調節がうまくできず、視界がかすんだり、目がショボショボしたりすることがあります。
この場合は、目のピント調節機能改善作用のある成分が配合された目薬がおすすめ。
以下の成分が配合されている目薬を探してみましょう。
<成分>
・ネオスチグミンメチル硫酸塩
・シアノコバラミン(ビタミンB12)
この場合は、目のピント調節機能改善作用のある成分が配合された目薬がおすすめ。
以下の成分が配合されている目薬を探してみましょう。
<成分>
・ネオスチグミンメチル硫酸塩
・シアノコバラミン(ビタミンB12)
目の新陳代謝や、血行を促進させることによって目の疲労回復を助ける成分もあります。
目の疲労回復には以下の成分が含まれている目薬がおすすめです。
<成分>
・パンテノール(プロビタミンB5)
・ビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩)
・ビタミンE(酢酸d-α-トコフェロール)
・タウリン(アミノエチルスルホン酸)
・L-アスパラギン酸カリウム
など
目の疲労回復には以下の成分が含まれている目薬がおすすめです。
<成分>
・パンテノール(プロビタミンB5)
・ビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩)
・ビタミンE(酢酸d-α-トコフェロール)
・タウリン(アミノエチルスルホン酸)
・L-アスパラギン酸カリウム
など
【目の充血】には、充血除去用や疲れ目用の目薬
前で述べたように、目がかわくことにより目の疲れを引き起こすことがあります。疲労を回復させるため目に栄養を運ぼうとする力が過剰に働き目の血流量が増え、充血してしまうことがあります。このような場合には、上記の目のかわきや疲れ目に効果的な目薬を使用するのもおすすめです。
もし、目の充血をすぐに解消したいときには、以下のような血管収縮剤を配合した目薬を使用するのも一つの手段です。ただし、血管収縮剤入りの目薬を過度に使用すると、かえって充血がひどくなることがあります。使い方に迷ったときは医師や薬剤師、または登録販売者に相談しましょう。
<成分>
・塩酸テトラヒドロゾリン
・ナファゾリン塩酸塩
もし、目の充血をすぐに解消したいときには、以下のような血管収縮剤を配合した目薬を使用するのも一つの手段です。ただし、血管収縮剤入りの目薬を過度に使用すると、かえって充血がひどくなることがあります。使い方に迷ったときは医師や薬剤師、または登録販売者に相談しましょう。
<成分>
・塩酸テトラヒドロゾリン
・ナファゾリン塩酸塩
目のかわき(ドライアイ)によって起こりうる目の症状に効果的な目薬を選ぶときのポイント
ここまで目のかわきによって起こりうる目の症状に効果的な目薬を紹介してきましたが、市販の目薬を購入する際にはさらに気を付けるべきポイントがあります。よく確かめて、正しい目薬を選びましょう。
コンタクト装着中も使用できる目薬を選ぶ
コンタクトを装着したまま目のかわき(ドライアイ)の目薬を使用する場合は、コンタクト使用中でも点眼可能なタイプを選びましょう。特にソフトコンタクトやカラーコンタクトの場合は、装着したままでは使用できない目薬も多いので注意が必要です。
薬剤師や登録販売者に相談する
目のかわき(ドライアイ)と一口に言っても、原因はさまざま。場合によっては眼科の受診が必要なケースもあるので、自分の症状にはどの目薬が適しているのか分からないときは、薬剤師や登録販売者に相談するのがおすすめです。症状に合った目薬を使用するようにしましょう。
目薬と併せてやってみよう!目のかわき(ドライアイ)のおすすめ予防法
目のかわき(ドライアイ)の症状改善には目薬の使用がおすすめですが、日常的に目に負担をかけないよう意識したりマッサージをしたりして予防することもできます。効果的な予防方法を紹介します!
目のかわき(ドライアイ)の予防法① 日常生活の中で目を労わる
- 長時間パソコンを使用するときは1時間ごとに約15分は目を休める
- 画面と目の距離は、パソコンでは40cm以上、テレビでは1m以上離す
- 読書をするときは室内を明るくし、パソコン使用時は逆にやや暗くする
- 乾燥する時期などは、加湿器や濡れタオルを干すなどして、室内の湿度を適度に調節する
- パソコン使用時やゲームなどをしているときなどは、意識的にまばたきの回数を多くして涙の分泌を増やす
目のかわき(ドライアイ)の予防法② 目を温める
目の周りの血行が良くなると、副交感神経の働きが優位になり、涙が作られやすくなると言われています。また、目の表面を保護する涙の油層の分泌も改善され、涙の蒸発を抑えることができると考えられます。そのため、目を温めることは、目のかわき予防につながります。
- 濡れタオルを電子レンジで40℃ほどに温め、蒸しタオルを作る(※やけどには注意しましょう)
- 目の上に蒸しタオルをのせ、5分ほど温める
蒸しタオルが作れない場合は、こすり合わせて温めた手のひらで目の周りを優しくおさえるのも効果的。両手のひらを10秒くらいこすり合わせて、こすり合わせた手をカップ状にして両目を覆うようにして、温めましょう。
目のかわき(ドライアイ)には、症状に応じた目薬を選ぶのがおすすめ
「ただの目のかわき」と軽視して放っておくと他の症状につながることも。症状にあった目薬で適切に対処するのがおすすめです。それでも症状が改善されないときには早めに眼科を受診しましょう。
人気のキーワード