「きみが提案してくれた点眼剤のおかげで、
笑顔が戻った子がいるんだよ」
訪問先のドクターが嬉しそうに話してくださった。
ドクターに提案した点眼剤は
学童期から思春期の男子に多く発症する
アレルギー性結膜疾患の一つに使われる治療薬だ。
その子も小学生の男の子だった。症状には眼のかゆみ、痛み、充血や腫れがある。
その男の子にとって、目が真っ赤に腫れ
周囲から目立ち、注目されることが
何よりも辛かった。
それでも大好きな学校には休まずに通う。
それが、彼の決めた約束事だった。点眼剤の処方からしばらく経ち、
男の子がドクターのもとへ定期検診にやって来た。
そして、嬉しそうに話したのだそうだ。
「先生!僕、今日の授業で手を挙げて、みんなの前で発表したよ!」
周りの視線を避けるように
いつも下ばかり向いていた男の子が
前を向き、笑顔で眼科を後にしたのだという。日々の仕事の中で、本当に自分はドクターや
患者さんの役に立っているのか悩むこともある。
それでもドクターとその先にいる患者さんの
笑顔や喜びの声は
何にも代えられぬやりがいにつながっている。
常に医療の現場に寄り添うMRでありたい。
そう強く心に誓い、今日も前に進んでいく。