結膜について
結膜とは、まぶたの裏側(眼瞼結膜)と眼球の白目部分(眼球結膜)を覆っている薄い透明な粘膜です。眼瞼結膜と眼球結膜はつながっており袋状(結膜嚢)となっています。点眼すると点眼薬は結膜嚢に溜まります。結膜からはムチンが産生されており、涙とともに異物や細菌などから目を守っています。
結膜の構造(イメージ)
結膜炎
結膜炎とは、何かの原因で結膜が障害を受けて、結膜に炎症が起こる病気です。
【結膜炎の主な原因】
- ・感染によるもの(細菌・ウイルス・寄生虫など)
- ・涙液層の異常・ドライアイによるもの
- ・薬物によるもの(シャンプーも含みます)
- ・アレルギーによるもの
- ・まぶた・まつ毛の異常によるもの
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感染性結膜炎(犬) -
クラミジア性結膜炎(猫) -
寄生虫性結膜炎(猫)
【結膜炎の症状】
- ・痛そうに目をしょぼつかせる(目を開けない)
- ・涙が多い
- ・結膜が腫れる
- ・結膜の充血
- ・眼脂(目やに)の増加
結膜炎の治療方法
原因によって異なります。症例によっては抗炎症点眼薬を使用することもあります。
- ・細菌感染が原因:抗菌点眼薬を投与します。
- ・ウイルス感染が原因:抗ウイルス薬(点眼・内服)を投与します。
- ・寄生虫感染が原因:外科的に寄生虫を取り除きます。
- ・ドライアイが原因:目を潤すために保水作用のあるヒアルロン酸ナトリウムや涙・ムチンの分泌を促進する点眼薬を投与します。自己免疫疾患による涙腺の萎縮が原因の場合は免疫を抑制する点眼薬を投与します。
- ・アレルギーが原因:ステロイドなどの抗炎症点眼薬を投与します。
結膜は目の表面にあり、充血により目が赤くなることが多いので飼い主が気付きやすい病気ですが、「目が赤い=結膜炎」ではありません。目が赤くなる病気には、緑内障やぶどう膜炎などもあります。目が赤い状態が続いている・様子がいつもとは違うなど気になることがございましたら、獣医師へご相談ください。
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ぶどう膜炎と角膜炎による充血(犬)